日本的経営の特徴(Characteristics of Japanese management style)

日本的経営の特徴(日本的経営三種の神器)

ジェイムズ・アベグレンの著書『日本の経営』(1958年)では、日本企業の経営の特徴は、次の3つである。

  • 終身雇用制(life-time employment)
  • 年功序列制(seniority system)
  • 企業内労働組合(enterprise labor union)

これらはのちに「日本的経営三種の神器」と呼ばれる。

終身雇用制

意義

終身雇用制とは、新卒で入社した会社に定年まで勤務し続ける労働慣行(企業側にとっては、雇用慣行)である。

終身雇用制は慣行である(Life-time employment is a practice.)

終身雇用制は多くの日本企業が採用する慣行である。法律や契約によって強制されるものではない。

Life-time employment is a practice in many Japanese companies. It is not enforced by law or a contract.

終身雇用制のメリット

終身雇用制の主なメリットは次の2つである。

  • 高い従業員モラール(morale)
  • ノウハウ(know-how)の蓄積

「モラール」とは、やる気と帰属意識である。従業員にとっては、会社のために一生懸命働くことが会社の成長につながり、会社で働き続ける自分の利益になる。

ノウハウ蓄積の結果、日本企業は「組織能力論」に基づく戦略をとることが多い。

終身雇用制のデメリット

終身雇用制の主なデメリットは次の2つである。

  • 創造性・積極性欠如
  • 人件費の固定費化

創造的・積極的・挑戦的な仕事に取り組まなくても終身雇用制のもとではクビにならないので、そのような仕事に取り組む従業員が減ってしまう。

終身雇用制のもとでは、企業の売上が落ちても、従業員をクビにして人件費を減らすことができない。不況時には、人件費が利益を圧迫する要因になる。

参考文献

岡本大輔・古川靖洋・佐藤和・馬塲杉夫(2012)『深化する日本の経営』千倉書房

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