RIZAPは終わったのか?

RIZAP(ライザップ)グループが、2019年3月期の業績予想を大幅に下方修正しました。

RIZAPグループ株式会社の適時開示→連結業績予想及び配当予想の修正、当社グループの構造改革に関するお知らせ~持続的成長に向けた抜本的な構造改革に着手へ~

RIZAPの業績悪化のニュースを聞いて「RIZAP終わった」とか「RIZAP式のダイエット手法が通用しなくなった」とか騒ぐ人がいますが、このような騒音・雑音に惑わされずに、データをもとに自分で判断する必要があります。

業績悪化の原因を探る

ここからは、RIZAPの決算説明会資料を引用しながら、業績悪化の原因を探っていきます。

(前提)RIZAPグループの決算を見るときの注意点

RIZAPグループは、IFRS(国際財務報告基準)を採用しています。

したがって、一般的な日本企業とは、決算の見方が違ってきます。

日本の会計基準では「特別損失」として計上されるものが、IFRSを採用しているRIZAPグループの決算では「営業利益」の金額に含まれてしまっています。

RIZAPの今回(2019年3月期第2四半期)の決算では「構造改革関連費用」を計上しています。日本の会計基準では「特別損失」として「営業利益」には含まれませんが、IFRSを採用しているRIZAPでは「営業利益」に含まれています。

上期の営業利益が赤字の理由

2019年3月期上期の営業利益は、88億円の赤字でした。

RIZAP側の説明によると、これらは子会社の減益先行投資の加速だと説明しています。

業績予想を下方修正した理由

通期の業績予想を230億円から▲33億円に下方修正しました。

RIZAP側は業績を下方修正した理由を次のように説明しています。

「③新規M&Aの原則凍結」は買収時の割安購入益のことですが、営業利益の半分近くを見込んでいたというのは驚きですね。

「②構造改革関連費用等を含む非経常的損失」の内訳は次の通りです。主に、子会社ですね。

RIZAP関連事業は好調

RIZAP側の説明としては、RIZAP関連事業は絶好調だと説明しています。

RIZAP関連事業は絶好調との説明は正しいのかどうか、四半期報告書のセグメント情報を見て検証していきます。

RIZAP関連事業は「美容・ヘルスケア」セグメントに含まれています。

「美容・ヘルスケア」セグメントのセグメント利益は△19.2億円の赤字です。ここから子会社のジャパンゲートウェイの赤字(▲20.3億円)とMRKホールディングスの赤字(▲5.8億円)を除いたセグメント利益は、+6.9億円です。

確かに、RIZAP関連事業から利益は出ているようです。

RIZAP関連事業でも先行投資が行われているので、セグメント利益は低めになっているようです。

先行投資が成功すれば、RIZAP関連事業の利益は拡大していくのでしょう。

RIZAP関連事業の中で、RIZAP GOLFとRIZAP ENGLISHは業績が改善傾向にあるようです。

真の営業利益を推計する

ここでいう「真の営業利益」とは、特殊要因を除いた営業利益をいいます。

2019年3月期上期の「真の営業利益」を推計します。

  • 営業利益▲88億円
  • 構造改革費用 ▲68.3億円⇒特殊要因1
  • 先行投資 ▲79億円⇒特殊要因2

2019年3月期上期の「真の営業利益」は60億円と推計されます。

売上高(売上収益)が1091億円ですので、真の売上高営業利益率は5.5%です。

まだまだ、RIZAPには稼ぐ力がある、といえます。

RIZAPは終わったのか?

RIZAPには稼ぐ力が残っている以上、「RIZAPは終わった」と判断するのは早いと思います。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク