日本型の人事労務管理の特徴
日本型の人事労務管理の特徴は、次の3つである。
- 終身雇用制
- 年功序列制
- 企業別労働組合
終身雇用制
終身雇用制とは、採用時から定年に至るまでの間、雇用の継続が保障されている制度をいう。
終身雇用制には、次のようなメリットがある。
- 企業への帰属意識の強化につながる
- 長期的な視点での人材育成に効果的である
他方、終身雇用制には、次のようなデメリットがある。
- 企業組織の硬直化につながりやすい
年功序列制
年功序列制とは、勤続年数による賃金や昇進・昇格等の処遇の決定のことをいう。
年功序列制には、次のようなメリットがある。
- 企業への帰属意識の強化につながる
他方、年功序列制には、次のようなデメリットがある。
- 労働の質の低下
- 高い能力を持つ労働者の流出
- 賃金コストの増大
企業別労働組合
企業別労働組合とは、同一企業の労働者で構成される労働組合である。
企業別労働組合は、企業内労働組合ともいう。
企業別労働組合には、次のようなメリットがある。
- 企業の実態にあった労使交渉が行われるので、労働条件の改善が進みやすい
- 企業と労働者の対立が起きづらいので、安定した労使関係の形成に役立つ
他方、企業別労働組合には、次のようなデメリットがある。
- 企業横断的な組合(産業別労働組合、職種別労働組合など)に比べて規模が小さいので、企業側に対する影響力が小さい
- 同種産業や同業他社の動向から乖離した労使交渉が行われる
参考文献
岡本大輔・古川靖洋・佐藤和・馬塲杉夫(2012)『深化する日本の経営』千倉書房